暦のたより : 白露
かおり スタッフ
「二十四節気」にあわせた俳句とイラストで、季節の景色と道具についてご紹介します。
※二十四節気・・・1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの。季節の変化を表す言葉として古くから使われています。
忙しい毎日の中で見過ごしてしまいがちな、季節の移り変わりを感じるきっかけになれば嬉しいです。
白露:9/8~9/22頃
9月8日頃から始まるのが「白露」(はくろ)です。
夜に大気が冷えることで、草花などに朝露がつきはじめる頃。
その露が光り、白い粒に見えることから「白露」というようですが、何ともきれいな言葉ですよね。
暦のうえでは、だんだんと日中の暑さも和らぎ、秋らしさが深まっていく頃ですが、今年はもう少し暑さが続きそうですね。
毎年(今年は特に)残暑がきびしいからか、個人的には秋の句を作るのってむずかしいな〜といつも思っています。
[白露の一句]
珈琲のふはと膨らむ野分かな
かおり
季語は「野分」(仲秋)。
野の草を分け、吹いてくる強い風のこと。おもに台風の風を指しています。
あまり歓迎されるものではないですが…台風も秋らしいもののひとつです。
外では強い風が吹いている。やや不穏な状態と、屋内では心静かにコーヒーを淹れている状態を、掲句では対比してみました。
普段はあまり自分でコーヒーを淹れないのですが、お湯を注いだときに膨らむコーヒー豆の様子を見ると、なんだか気持ちがふっと落ちつくような気がします。
作者プロフィール
俳句:ばんかおり左ききの道具店スタッフ。2020年から俳句を作り始め、現在は南風俳句会に所属。日常の中での発見や好きだと思ったものを俳句にしている。
イラスト:スミレ各務原市でイラストや写真を中心に活動。お花や自然、空、犬や鳥などのいきものたちを観察するのが好き。