暦のたより:清明
「二十四節気」にあわせた俳句とイラストで、季節の景色と道具についてご紹介します。
※二十四節気・・・1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの。季節の変化を表す言葉として古くから使われています。
忙しい毎日の中で見過ごしてしまいがちな、季節の移り変わりを感じるきっかけになれば嬉しいです。
清明:4/4~18頃
4月4日頃から始まるのが「清明」(せいめい)です。
語源は「清浄明潔」(しょうじょうめいけつ)という言葉。その文字どおり、全てのものが清らかで明るく、いきいきと活気に満ちている様子を表しています。
今年は3月になっても、なかなか気温が上がりませんでしたが、この頃はすっかり春めいてきましたね!
たくさんの種類の花が咲き溢れ、外を散歩するにも楽しい季節になってきました。みなさんもぜひ、身近な自然から春を感じてみてください。
[清明の一句]
ポケットの小さき半券燕来る
かおり
季語は「燕来る」(仲春)で、春半ばに南方より飛来してきた燕のこと。
ちょうどこの原稿を書いている頃、「ピピピッ」と元気な声で鳴きながら飛ぶ燕に遭遇し、嬉しい気持ちになりました。
掲句にも、春が深まっていくことへの嬉しさを込めてみたつもりです。ちなみに、ポケットに入っていたのは、映画チケットの半券をイメージしています。
個人的にも愛用している「左ききのシャツ」は、左手でポケットにものが入れやすいですよ。つい何でもポイポイと入れてしまうため、洗濯には要注意です…!
作者プロフィール
俳句:ばんかおり
左ききの道具店スタッフ。2020年から俳句を作り始め、現在は南風俳句会に所属。日常の中での発見や好きだと思ったものを俳句にしている。
イラスト:スミレ
各務原市でイラストや写真を中心に活動。お花や自然、空、犬や鳥などのいきものたちを観察するのが好き。